もし外国の人で、日本人がみんな政府の対応を批判していると思っているんだったら、それは事実ではない。安倍政権はここ二三年若干の上下はある物の支持率五十パーセントから四十パーセントの間で安定している。それはコロナが流行してからも変わっていない。
その一方で一貫して反安倍を貫く左翼の連中も十五パーセントくらいで安定している。この十五パーセントは何かにつけてすべてのことで安倍を批判している。コロナに限ったことではない。
安倍政権のコロナ対応に多くの人が不満を持つとしたら、それは一つには春節の時に中国からの入国者を止めなかったことと、三月の終わり頃にに感染が急速に拡大しているにもかかわらず緊急事態宣言を躊躇したことだろう。この二つは優柔不断で頼りない印象を与え、一時的な支持率の低下となった。ただ、この間、反安倍の支持率は増えていない。
ただ、この構図は自民と反自民に置き換えれば、一九五五年、いわゆる五十五年体制が確立されて以来、それほど変わっていない。日本の政情の安定は、自民と反自民の比率が何十年も大きな変化をしていないことに由来する。そして、このことはコロナで変わることはなかった。
ただ、十五パーセントの連中は三大新聞を初めとするマスメディアや大手テレビ局などに大きな力を持っているし、芸能人や作家やアカデミズムなど発信力のある連中が多い。そのため日本人がみんな安倍政権を批判しているかのような印象操作が行われているだけのことだ。
酒に負け議論に負けてゲロ吐いて
朝はカラスの騒ぐかあかあ
それでは「応仁元年夏心敬独吟山何百韻」の続き。
八十九句目。
古き庵ぞ泪もよほす
橘の木も朽ち軒もかたぶきて 心敬
古い庵の荒れ果てた様子を付ける。
橘は、
五月待つ花橘の香をかげば
昔の人の袖の香ぞする
よみ人知らず(古今集)
を髣髴させ、昔の人を偲ぶ意味がある。
九十句目。
橘の木も朽ち軒もかたぶきて
とふ人まれの五月雨の中 心敬
打越の「古き庵」なら「とふ人まれ」も連想できるので、展開は緩い。一巻の終わりが近いので軽く流そうとしている感じがする。
九十一句目。
とふ人まれの五月雨の中
瀬を早み夕川舟や流るらん 心敬
五月雨に増水した川に「瀬を早み」と付く。ここも軽く流してゆく・
九十二句目。
瀬を早み夕川舟や流るらん
とまらぬ浪の岸をうつ声 心敬
川が激しく流れていればその波は岸を不断に打ち続ける。ここも軽く流す。
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