日本の経済が長いこと低迷しているのは確かだが、大事なのは「揶揄」することではない。どうすればそこから抜け出せるかを、考えることだ。
左翼が作り出すツイッターのトレンドに付和雷同するのではなく、一人一人が自分の体験から考えて行かなくてはならない。
今の世界には知的リーダーと呼べるものは一人もいない。いるのは有象無象の痴的リーダーだけだ。ピケティは未だに何の解決策も見つけられない。マルガブはただのそこら辺のパヨと一緒だ。トゥンベリは一転突破で視野が狭い。バンクシーは無駄に絵の上手いただの落書き。
七十年代の終わりにアナーキーというパンクバンドが唄っていたが、「信じられるのは、自分だけなんだよ」って今も状況は一緒だ。ヒーローが現れて何とかしてくれるなんて、そんなことは現実の世界では起こりゃしない。
来年を良い年にしたかったら、まずアンタが頑張れ。揶揄で世界は良くならない。もっと悪くなるだけだ。
それでは「から風や」の巻の続き。
十三句目。
あくたもくたのせまる物前
何所となうとりひろげたる中屋敷 知足
中屋敷はコトバンクの「精選版 日本国語大辞典「中屋敷」の解説」に、
「〘名〙 江戸時代、上屋敷の控え、または非常の際の避難所としての屋敷。江戸での諸大名の上屋敷には奥方が、中屋敷・下屋敷には多く部屋方(妾)が居住した。〔梅津政景日記‐寛永八年(1631)六月二二日〕」
とある。
中屋敷で何かあったのか、役に立たない連中が集まってきて取っ散らかっている。
十四句目。
何所となうとりひろげたる中屋敷
土をつくねて獣を焼 路通
「つくねる」は捏ねるということ。ひき肉を捏ねると「つくね」になる。
前句を陶芸にはまった人のいる中屋敷とする。十二支など神使となるような動物の像であろう。
十五句目。
土をつくねて獣を焼
冬の月坊主は耳の根がさむい 路通
「耳の根」は耳のつけ根のこと。鬢の毛がないので耳が寒い。夜を徹して陶芸に励む坊主とする。
十六句目。
冬の月坊主は耳の根がさむい
京への駕籠のをらぬ栗栖野 知足
栗栖野はコトバンクの「精選版 日本国語大辞典「栗栖野」の解説」に、
「[一] 京都市北区鷹峰、西賀茂の付近にあった地名。古く皇室の狩猟場だった。御栗栖野(みくるすの)。
[二] 京都市山科区南部の地名。稲荷山の東すそにあたる。」
とある。[一]だと京の一部なので[二]の方であろう。栗栖野を通るのは奈良街道で、冬になると暖かい奈良の方に移動するということか。
十七句目。
京への駕籠のをらぬ栗栖野
見た事は咄にもなる華の宿 路通
春の吉野へ行く通り道とする。
十八句目。
見た事は咄にもなる華の宿
夏をこなたに布施紅の咲 路通
布施紅は牡丹の一種。牡丹は夏の季語だが、宿で見た夏を待たずに咲く布施紅の花は、旅人の土産話になる。
二表、十九句目。
夏をこなたに布施紅の咲
陽炎の金原つづき土肥て 知足
「金原」は不明。土の肥えた野原なのだろう。布施紅も咲いている。
ニ十句目。
陽炎の金原つづき土肥て
口をたたけば日はしたになる 知足
肥えた土壌の畑をのんびり耕していて、無駄口を叩いている間に一日が終わる。
二十一句目。
口をたたけば日はしたになる
大やうな御寺の世話も引請る 路通
お寺の和尚さんものんびりした性格で、そこで仕事を請け負っても、おしゃべりしているうちに日が暮れる。
二十二句目。
大やうな御寺の世話も引請る
福々したる在のとし並 路通
在は在家のことか。年とっても福々していてお寺の世話を引き受ける。
二十三句目。
福々したる在のとし並
後の月見てから後の十七夜 知足
「後(のち)の月」は長月の十三夜。金があるのか、十三夜でとどまらずに十七夜まで楽しむ。
二十四句目。
後の月見てから後の十七夜
芦穂の中をのぼる新三 知足
「新三」は不明。遅れて跡から来たので、月を新参者としたか。
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