2020年6月26日金曜日

 国内の新たな感染者が百人を超えた。まあ、検査体制に余裕が出来て、無症状の人も調べているというから、重篤化してもなかなか調べてもらえなかった頃とはたいぶ意味合いが違うとは言うが、それでも移動制限がなくなったからこのまままた全国に広がって行くかもしれない。
 国も自治体も金がないからと言って自粛要請をしないならば、とにかく自分の身は自分で守るしかない。外出は極力控え、人との接触も最低限に。みんな、生き残ろう。
 アマビエ巻九十五句目。

   頼むネットよ繋がってくれ
 豊かさは自由があってこそのもの

 それでは「寛正七年心敬等何人百韻」の続き。

 八十五句目。

   遠方人に千鳥立つ声
 誰かまつ妹があたりを尋ぬらん   専順

 島津注は、

 思ひかねいもがりゆけば冬の夜の
     川風さむみ千鳥なくなり
              紀貫之(拾遺集)

を引いている。
 ただここでは旅人(遠方人)と「誰かまつ妹(誰待つかの倒置)」という面識のない二人の出会いとなる。在原行平と松風・村雨の姉妹との出会いの場面も念頭にあるのか。
 八十六句目。

   誰かまつ妹があたりを尋ぬらん
 契りし頃よ更けはつる空      宗怡

 誰か待つ妹を訪ね、夜更けには契ることになる。
 八十七句目。

   契りし頃よ更けはつる空
 うたたねの夢を頼めば鐘なりて   士沅

 これは巫山の夢であろう。目覚めた時に夜明けの鐘がなる所で現実に引き戻される。
 八十八句目。

   うたたねの夢を頼めば鐘なりて
 落つる涙にうかぶ手枕       弘其

 夢に頼むというと、

 うたた寝に恋しき人を見てしより
     夢てふものは頼みそめてき
             小野小町(古今集)

 夢に出てきてくれると嬉しいけど、目覚めれば悲しい現実に引き戻される。
 「涙にうかぶ手枕」は島津注によれば『源氏物語』須磨巻の「なみだおつともおぼえぬに、まくらうくばかりになりにけり。(涙がこぼれたと思うか思わないかのうちに、枕が涙の海に浮かんでいるような心地にになりました。)」に拠るという。

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