2020年6月17日水曜日

 日本にいる朝鮮半島の専門家は基本的に左翼だから、朝鮮半島に与えている中国の脅威については完璧なまでに無視している。だからその辺は自分で補って考えなくてはならない。
 おそらくトランプさんも最初はその辺のことを知らずに米朝会談を行ったのだろう。だが、北と協議を続けたり、中国政府からの様々な働きかけのあった中で、南北統一を本当に難しくしているのは中国だというのがわかってきたのではないかと思う。だからすぐに中国との貿易戦争を開始した。
 中国政府はかつての朝貢国は中国の一部と考えていて、朝鮮半島は元々中国のものだったのが日本に奪われ、日本が戦争に負けたときにも変換されずにアメリカとソ連が居座っただけで、今でも朝鮮半島は中国に権利があると考えている。
 そのため南北統一は基本的に両者が中国を退け、アメリカ側に属さなくてはならない。それを裏切ったのが韓国だった。
 今回の金正恩の死も中国側が広めたもので、北とアメリカはそれを認めることはできない。
 アマビエ巻八十六句目。

   古めかしいエレベーターは故障中
 外階段は夏の香りが

 それでは「寛正七年心敬等何人百韻」の続き。

 二十七句目。

   旅は袖ほすひまぞ稀なる
 待つたれもあらじ古郷恋しくて   士沅

 前句の「袖ほすひまぞ稀なる」を涙の乾く閑もないという比喩に取り成し、知っている人が誰もいなくなった故郷を思う句にする。
 悪い領主に堪えかねての村民の逃散や、戦乱により壊滅や、あるいは一族みんな粛清にあったか、いろいろな事情が想定できる。戦国の世ではありそうなことだ。
 二十八句目。

   待つたれもあらじ古郷恋しくて
 忘るるかたや夢は見ざらん     心敬

 前句の「待つたれもあらじ」を切り離して通ってくる人も誰もいなくなった女の家とする。
 私のことなど忘れてしまった人は「古郷恋しくて夢は見ざらん」と繋がる。
 いつしか男はこの里を出て行ってしまって、私のことなど忘れてしまったようだけど、故郷が恋しくなって夢に出てくることはないのかしら、となる。
 まあ、「木綿のハンカチーフ」のパターンだね。男は「僕は帰れない」なのだろう。
 二十九句目。

   忘るるかたや夢は見ざらん
 よわりつつ来ぬ夜積れる物思ひ   宗怡

 忘れられてしまった女は身も心も衰弱してゆく。
 三十句目。

   よわりつつ来ぬ夜積れる物思ひ
 くだけし心末ぞみじかき      専順

 「くだけし心」は英語だとbroken heartになるが、単なる失恋というよりは心神衰弱のような深い傷を言う。医療水準の低い社会では、精神的なダメージが心因性の病気を引き起こし、死に直結することもある。
 三十一句目。

   くだけし心末ぞみじかき
 かる跡にむらむら残る草の露    与阿

 これは「くだけし」を導き出す序詞のような上句で、露のくだけるように、砕けた心にもう末も長くないと繋がる。技法としては掛けてにはになる。
 「刈る跡」が「みじかき」に呼応するあたりは芸が細かい。
 三十二句目。

   かる跡にむらむら残る草の露
 袂をはらふ秋の追風        英仲

 袂に着いた草の露は秋風が払ってゆく。

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