2020年6月16日火曜日

 東京のコロナの新たな感染者は二十七人。四十人越えが二日続いた後だと少ないと感じてしまう。
 北朝鮮の攻勢はトランプ公認なのかな。
 アマビエ巻八十五句目。

   査察があると通路片付け
 古めかしいエレベーターは故障中

 それでは「寛正七年心敬等何人百韻」の続き。

 二表。
 二十三句目。

   さもうかるらん稲葉もる人
 雲なびく遠の山本風寒えて     紹永

 「うかるらん」に「山本風」は、

 うかりける人を初瀬の山おろしよ
     はげしかれとは祈らぬものを
             源俊頼朝臣(千載集)

の縁か。
 二十四句目。

   雲なびく遠の山本風寒えて
 夕べにかはる冬の日の影      宗祇

 これは、

 見渡せば山もとかすむ水無瀬川
     夕べは秋となに思ひけむ
             後鳥羽院(新古今集)

であろう。春を冬に変え、弱々しい冬の日ざしが夕暮れてゆく様も秋に劣らず物悲しい。
 後の水無瀬三吟の発句、

 雪ながら山もと霞む夕べかな    宗祇

の前段階ともいえよう。

 秋もなを浅きは雪の夕べかな    心敬

もこのあと心敬が東国で詠むことになる。
 宗祇の句はこの頃は目立たなかったかもしれないが、何気に時代の先を行っている。「冬の日」の語は芭蕉七部集のタイトルの一つにもなる。
 二十五句目。

   夕べにかはる冬の日の影
 猶急げ又や時雨れん野辺の道    元用

 冬の日が夕べになるとやってくるのは時雨。時雨が降る前に、野辺の道を急いで早く屋根のある所に行こう。
 二十六句目。

   猶急げ又や時雨れん野辺の道
 旅は袖ほすひまぞ稀なる      量阿

 時雨に濡れたくないのは、旅の途中は濡れた着物を干す隙がないからだ。

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