今日は曇っていてやや寒かった。
日本はまだ医療崩壊を免れているし、医療を守ることを最優先して、一応その効果があったといってもいいだろう。
ただ、既に病床は満杯で感染者は急速に増え続けている。
ダムに喩えるなら、既に危険水位に達している。ダムを決壊させないためには緊急放流が必要になる。それがとりあえず軽症者をホテルに移すということなのだろう。
ただ、そうやってホテルにいても、重篤化したときに病院に入れない可能性は出てくる。それは武漢や欧米とはまた違う形での医療崩壊ということになるだろう。病院は機能していても多くの人が病院までたどり着けずに死ぬことになる。
何の嫉妬か見つからぬ本
ググっても謎の解けない恋の道
それでは「兼載独吟俳諧百韻」の続き。
七十五句目。
心にはれてかつぎもやせん
刈りをける薪はあれど馬もたず 兼載
薪のストックは山にたくさんあるけど、それを運ぶ馬がない。なら自分で担ぐしかない。
七十六句目。
刈りをける薪はあれど馬もたず
ただ牛ばかりねりまはりけり 兼載
応仁の乱以降の戦乱で、馬は軍に取られて不足していたのだろう。軍の役に立たない牛はあいかわらず京の街に溢れている。ただ、牛は山に登れないから、薪を運んではくれない。
七十七句目。
ただ牛ばかりねりまはりけり
世の中にまことの僧はなからめや 兼載
牛はしばしば愚鈍な者の比喩として用いられる。
七十八句目。
世の中にまことの僧はなからめや
いのるぬしには誰をたのまむ 兼載
「ぬし」にはいろいろな意味があり、時代劇では「おぬし」のように二人称でも用いられる。ここでは普通に「祈る人」の以上の意味はないが、外の意味への取り成しを狙っているのではないかと思う。
名残表。
七十九句目。
いのるぬしには誰をたのまむ
我蔵に宝はもちて病なし 兼載
前句の「ぬし」はここでは主君や主人のような偉い人のことになる。
金持ちで健康ならこれ以上祈ることもない。ただ、戦国も長引くと、天下が欲しいなんて者も現れるが。
八十句目。
我蔵に宝はもちて病なし
ただめでたしといふ計なり 兼載
これはそのとおりというばかりなり。
八十一句目。
ただめでたしといふ計なり
振舞もせぬ客人に年越て 兼載
前句の「めでたし」を新年の挨拶とする。ただ「おめでとう」を言うだけで何も出てこない。
八十二句目。
振舞もせぬ客人に年越て
面目もなき春のさびしさ 兼載
困窮して満足な摂待もできないという意味にして「面目ない」とする。
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