2020年4月3日金曜日

 今日も半月よりやや膨らんだ月が見える。桜はまだ散らずにもっている。

   思えば辛いSEの頃
 異世界にハーレム展開描くにも

 それでは「兼載独吟俳諧百韻」の続き。

 三裏。
 六十五句目。

   降参に来る敵ぞめでたき
 おんもせぬ内のものとやつかふらん 兼載

 「おんも」というと唱歌の「春よ来い」(相馬御風作詞、弘田龍太郎作曲)に「おんもへ出たいと待っている」とあるのが真っ先に思う浮かぶ。
 コトバンクの「精選版 日本国語大辞典の解説」には、

 「〘名〙 (「おも(面)」の変化した語) 幼児語。家の外。おもて。
  ※滑稽本・玉櫛笥(1826)「外(オンモ)へ行ってお昼まで遊んで来なさい」

とある。
 「内の者」はweblio古語辞典の「学研全訳古語辞典」に、

 「①その家に仕える者。奉公人。召使い。
  ②女房。自分の妻。」

とあるから、兼載の時代は幼児語ではなく、普通に俗語として用いられていたのかもしれない。
 普段外に出てくることのない奉公人が使者となって、降参をしてきたから、戦ではなく家同士の争いか。
 六十六句目。

   おんもせぬ内のものとやつかふらん
 花の出仕を申さぬはなし      兼載

 花見の席の出仕となると、普段外に出ることのない奉公人も是非ともと申し出てくる。
 六十七句目。

   花の出仕を申さぬはなし
 桜木に酒と肴と取くいて      兼載

 やはり花より団子というか、花といえば酒と肴、これは昔も今も変わらない。
 六十八句目。

   桜木に酒と肴と取くいて
 うつり臥たる春のやま里      兼載

 酒と肴を求めて春の山里を渡り歩いているのか。

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