今日も半月よりやや膨らんだ月が見える。桜はまだ散らずにもっている。
思えば辛いSEの頃
異世界にハーレム展開描くにも
それでは「兼載独吟俳諧百韻」の続き。
三裏。
六十五句目。
降参に来る敵ぞめでたき
おんもせぬ内のものとやつかふらん 兼載
「おんも」というと唱歌の「春よ来い」(相馬御風作詞、弘田龍太郎作曲)に「おんもへ出たいと待っている」とあるのが真っ先に思う浮かぶ。
コトバンクの「精選版 日本国語大辞典の解説」には、
「〘名〙 (「おも(面)」の変化した語) 幼児語。家の外。おもて。
※滑稽本・玉櫛笥(1826)「外(オンモ)へ行ってお昼まで遊んで来なさい」
とある。
「内の者」はweblio古語辞典の「学研全訳古語辞典」に、
「①その家に仕える者。奉公人。召使い。
②女房。自分の妻。」
とあるから、兼載の時代は幼児語ではなく、普通に俗語として用いられていたのかもしれない。
普段外に出てくることのない奉公人が使者となって、降参をしてきたから、戦ではなく家同士の争いか。
六十六句目。
おんもせぬ内のものとやつかふらん
花の出仕を申さぬはなし 兼載
花見の席の出仕となると、普段外に出ることのない奉公人も是非ともと申し出てくる。
六十七句目。
花の出仕を申さぬはなし
桜木に酒と肴と取くいて 兼載
やはり花より団子というか、花といえば酒と肴、これは昔も今も変わらない。
六十八句目。
桜木に酒と肴と取くいて
うつり臥たる春のやま里 兼載
酒と肴を求めて春の山里を渡り歩いているのか。
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