2020年10月7日水曜日

 増えもせず減りもしないコロナ。まあこれだけ人が動いていて、第三波と言えるほどのものがまだ来なくてすんでいるだけでも良いのかもしれない。こうして時間稼ぎしている間に、外国人観光客に頼らなくてもいい、強い日本経済を作っていってほしいね。
 学問の自由といえば、こうして別にどこの大学にも研究所にも所属してない、学者でもなんでもない人間が、ネット上で俳諧を読んでいけるというのも、学問の自由の行使と言えるのではないかと思う。学者だけが学問をやるのではないし、学術会議に入らなければ学問ができないというものではない。
 まあ、ああいうところに入るには結局どこかの強力な学閥に所属して、そこの推薦を受けなければならないのだから、我々にしてみれば雲の上の話だ。誰か俺を学術会議に推薦してくれ。それで菅首相に拒否されたら一緒に戦ってやらないでもない。
 では冗談はともかくとして、「月見する」の巻の続き、挙句まで。

 二裏。
 三十一句目。

   さても鳴たるほととぎすかな
 西行の無言の時の夕間暮      芭蕉

 ホトトギスは夜通し待ってようやく明け方に聞くのを本意とするので、夕方から鳴いてても歌にならない。
 三十二句目。

   西行の無言の時の夕間暮
 小草ちらちら野は遙なり      尚白

 西行だから旅体ということで、遥かな野の風景を付ける。
 三十三句目。

   小草ちらちら野は遙なり
 薄雪のやがて晴たる日の寒さ    尚白

 薄雪が融ければ野には草が見えてくる。
 終わりも近いということで、二句続けて景を付けて、あえて笑いを取りにはいかないようだ。
 三十四句目。

   薄雪のやがて晴たる日の寒さ
 水汲みかへて捨る宵の茶      芭蕉

 雪も上がり晴れたところで水を汲みに行く。水を汲んだら昨日のお茶を捨てて新たにお茶を淹れなおす。単なる景に生活感を加える。
 三十五句目。

   水汲みかへて捨る宵の茶
 窓あけて雀をいるる軒の花     芭蕉

 宵の茶を捨てるのに、台所の明かり取りの窓を開ける。すると軒端に桜の花が咲いているのが見え、雀も飛び込んでくる。
 挙句。

   窓あけて雀をいるる軒の花
 折掛垣にいろいろの蝶       尚白

 「折掛垣(をりかけがき)」はコトバンクの「精選版 日本国語大辞典の解説」に、

 「〘名〙 竹や柴などを折り曲げて地面にさしたものを続けてつくった垣根。しおりがき。折掛。
  ※菅家御集(鎌倉‐室町)「山里のをりかけ垣の梅の枝わひしらなからはなや咲らん」

とある。軒の花に垣の蝶を添えて、ここも軽く景を付けて終わらせる。

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