いつの間にか旧暦では八月になっていた。今日は八月二日。
「あなむざんやな」の巻の続き。
二表。
十九句目。
去年の軍の骨は白暴
やぶ入の嫁や送らむけふの雨 芭蕉
藪入りは奉公人だけでなく、嫁も実家に帰ることができた。夫が同伴する地域もあったという。
江戸時代には奉公人の帰省の日になったが、本来は嫁が実家に帰る日だったという説もあり、前句を戦国時代として、藪入りの古い形を付けたのかもしれない。
二十句目。
やぶ入の嫁や送らむけふの雨
霞にほひの髪洗ふころ 亨子
親元に帰るというので、当時はめったに洗わなかった髪を洗う。
二十一句目。
霞にほひの髪洗ふころ
うつくしき佛を御所に賜て 皷蟾
思いがけぬところで仏像が発見されると、吉祥ということで御所に献上されることもあったのだろう。前句の「髪洗ふころ」を正月として、目出度いものに目出度いものを重ねたか。
二十二句目。
うつくしき佛を御所に賜て
つづけてかちし囲碁の仕合 芭蕉
御所を碁所に取り成したか。「碁所」は一般的には「ごどころ」だが、「ごしょ」と読むこともあったのだろう。
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