2020年8月30日日曜日

 クソリプというのもひょっとしたら役に立っているのかもしれない。
 ネット上からヒットラーのような独裁者が現れるのを防ぐには、何か受けのいいこと言って多くのフォロアーを集めてゆく段階で、芽を摘む必要もある。
 アンチな人間がどうでもいいようなことで反論したりして、炎上を繰り返せば、こうした野望をくじくこともできるかもしれない。
 とにかくネット上の言論は極力規制すべきではない。反論されることなしに何でも言える空間ができれば、それこそ独裁者になろうとするものにとっては願ったりだ。
 独裁者のいる国では当然ネット上に言論の自由はない。ただ押さえつけるだけではなく、むしろ国民の世論形成に積極的にネットを利用する。これによって、海外から来る情報を単にシャットアウトするだけではなく、こうした情報に不快感を催すように大衆を操作してゆく。こうした国に対して、よその国がいかにネット上で抗議活動を行ってもほとんど効果はない。
 工作員によるネットの操作を防ぐ意味でも、ネット上は常に様々なノイズに溢れてなくてはならない。
 それでは「しほらしき」の巻の続き。

 第三。

   露を見しりて影うつす月
 躍のおとさびしき秋の数ならん 北枝

 盆踊りも遠くで音だけ聞いていると寂しく聞こえる。
 四句目。

   躍のおとさびしき秋の数ならん
 葭のあみ戸をとはぬゆふぐれ  斧卜

 「葭(よし)のあみ戸」は葭を編んだ扉だから、多分葭戸(葭簀を張った扉)とはまた違うのだろう。草庵の扉で、世間は盆踊りで盛り上がっていても一人寂しく過ごす。
 五句目。

   葭のあみ戸をとはぬゆふぐれ
 しら雪やあしだながらもまだ深 塵生

 人が訪れないのを深い雪のせいだとする。
 六句目。

   しら雪やあしだながらもまだ深
 あらしに乗し烏一むれ     志格

 嵐の風でやってきた烏の黒い姿が一面の白雪に映える。
 七句目。

   あらしに乗し烏一むれ
 浪あらき磯にあげたる矢を拾  夕市

 磯に打ち上げられた矢を拾って巣でも作るのか。自分を狙ったかもしれない矢でも何でも利用する。
 八句目。

   浪あらき磯にあげたる矢を拾
 雨に洲崎の嵒をうしなふ    致益

 「嵒」は岩のこと。
 「洲崎の岩」は臼杵湾の洲崎岩ヶ鼻にあった祇園宮のことか。キリシタン大名の大友宗麟に弾圧され、場所を転々としていたが、慶長三年にようやく臼杵市の今の八坂神社の場所に落ち着いた。明治の神仏分離で名前が八坂神社になった。
 この場合の雨は矢の雨か。

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