2019年4月29日月曜日

 連休二日目。今日は三軒茶屋(西太子堂)のCat's Meow Booksに行った。『怪談おくのほそ道』(伊藤龍平訳・解説、二〇一六、国書刊行会)という本があった。安永六年(一七七七年)成立の『芭蕉翁行脚怪談袋』の現代語訳と解説で、内容は芭蕉やその門人達の名前を借りた登場人物が出てくる怪談集で、狐や狸や狒々や竜の出てくる話だ。
 その中の一つに「第九話 其角、猫の恋の句のこと」が収録されているので、この本屋に置かれていたのだろう。
 内容は芭蕉が延宝期に諸国行脚していたり、行ったことのない備前や四国九州に行っていたりするあたり、すぐに虚構だとわかるようになっている。今でいえば『文豪ストレイドッグス』のようなもので、あくまでフィクションとして、余計な突込みを入れずに楽しんだ方がいい。
 まあ、蕪村の時代の人々にとって、蕉門の俳諧師がどのようなキャラにされていたかを知る上では貴重な資料だ。

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