2018年5月16日水曜日

 暑いねー。そろそろコーラとか飲みたくなるねー。
 それにしても北は往生際が悪い。南北統一と体制維持は最初から矛盾しているから、両方は無理に決まっている。これを両立させるとしたら、韓国を消滅させ、金正恩の支配下に吸収するしかない。そりゃいくらなんでも無理というものだろう。
 まあ、おそらく内部に今回の豹変に不満を持つ人たちがたくさんいて、大変なんだとは思う。
 実質的には南に吸収される形になっても、あくまで北の主導で南北統一を実現したことにし、在韓米軍を撤収させて完全中立による独立を実現し、国名にも朝鮮の文字を入れる、というのが最善の形作りではないかと思う。
 それでは「花で候」の巻の続き。

 五十七句目

   泪の小川のちは淀川
 ゆかにつもるちりは誓文愛宕山 宗因

 「誓文(せいもん)」はコトバンクの「デジタル大辞泉の解説」には、

 1 神にかけて誓う言葉。また、それを記した文書。起請文(きしょうもん)。誓紙。
 2 相愛の男女が心変わりをしないことを誓って取り交わす文書。多く、遊女と客の間で交わされた。誓紙。
 3 (副詞的に用いて)神に誓って。
「こりゃ―ほんまのこっちゃ」〈滑・膝栗毛・八〉

とある。この場合は2だろう。積もった誓文はうず高く山になり、さながら愛宕山。
 京都の愛宕山は嵯峨野の北にある。ここから流れ出した小川は桂川に注ぎ、やがて宇治川、木津川と合流して淀川になる。

 五十八句目

   ゆかにつもるちりは誓文愛宕山
 天狗や鼻をはじく我中     宗因

 京都の愛宕山には愛宕山太郎坊という天狗が住んでいた。その天狗の高い鼻もへこますほどの熱愛だという。「我中は天狗の鼻をはじくや」の倒置。

 五十九句目

   天狗や鼻をはじく我中
 たまさかに口説せしことりんきして 宗因

 「たまさか」は滅多にないこと。「悋気(りんき)」は嫉妬のこと。
 「たまさかに悋気して口説せしこと」の倒置。まあ、嫉妬するのも仲の良いしるしか。

 六十句目

   たまさかに口説せしことりんきして
 したたるけれど今すこしねん  宗因

 「したたる」は甘くてべたべたしていること。口説も舌っ足らずの甘えたような声だったのか。語源的には多分関係ないと思うが「舌垂る」と「舌足らず」は何か調和する。
 「ねん」は「寝ん」。

 六十一句目

   したたるけれど今すこしねん
 下帯も汗もかたびらのかたしきに 宗因

 「かたしき」は、

 きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに
     衣かたしきひとりかも寝む
           藤原良経(新古今集)

の歌にもあるように、自分の衣を下に敷いて独りで寝ることをいう。二人でともに寝る時は衣を二枚重ねて寝る。
 汗びっしょりになった褌や帷子を敷いて、べたべたするけど一人寝よう。まあ、汗をかくようなことをした後なのだろうな。

 六十二句目

   下帯も汗もかたびらのかたしきに
 二人むかへる蚊帳ごしの月   宗因

 汗まみれの褌や帷子の片敷きに就寝するのではなく、二人座って寄り添って蚊帳越しに月を眺め、愛し合った後の余韻を楽しむ。艶なるかな。

 六十三句目

   二人むかへる蚊帳ごしの月
 しのばねど局の口もあけひろげ 宗因

 「局(つぼね)」は古くは女房などの居所を言った。
 別に忍んでやってきたわけではないけど、局の入り口は開いていて、蚊帳越しの月が二人を迎える。

 六十四句目

   しのばねど局の口もあけひろげ
 見られたがるやなまめいた顔  宗因

 江戸時代で「局(つぼね)」というと吉原などの下級の遊女をいい、外から見える部屋(局)で待機して、通りがかる男を誘う。口も色っぽく半開きだったりしたのか。

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