今日は午前中雪がちらちらと舞ったが、すぐに雨に変わった。
『俳諧問答』の続き。今日もほんの少し前へ進みます。
「其後予東武に官遊して、其角に両席会ス。俳諧稽古の為ニ益なし。
其比猿ミの出板して、翁ハ吾妻の方へ赴き給ふ時、李由が明照寺に漂白し給ふといへ共、予又東武に逗留の間にして、かた違ひする事、是又師の縁のうすきなげき也。
其冬予故山に帰時、師ハ平田より出てミの・尾張を過ギ、東武ニ趣き、又かた違する事かくのごとし。」(『俳諧問答』横澤三郎校注、一九五四、岩波文庫p.86~87)
芭蕉がまだ上方にいるときに許六は江戸に行って其角に会っている。
『猿蓑』は元禄四年七月に出版され、その年の九月二十八日の千那宛書簡に、「平田明照寺へも一宿立ち寄り申すべく候」とある。
平田明照寺は彦根にあり、李由が住職を務めていた。この時許六はまだ江戸にいた。
そして芭蕉が江戸に着く頃には許六も彦根に戻っていた。東海道のどこかですれちがったか。
「予明年七月又東武に趣く。此時翁に対面せむ事をよろこぶ也。」(『俳諧問答』横澤三郎校注、一九五四、岩波文庫p.87)
『芭蕉年譜大成』(今栄蔵、一九九四、角川書店)だと、許六と芭蕉との初対面は八月九日になっている。
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