今日も鬼貫編の『俳諧大悟物狂』から、猫ネタで、鬼貫独吟百韻の四十四句目、
よはよはと老母の寝ぬ夜思ひ出
いつまで猫の死を隠すべき 鬼貫
これはわかりやすい。老母の飼っていた猫が死んだのだけど、ショックを受けないようにと隠しているが、時々思い出したように「たまや、たまはどこにいるの」とか言ったりする。
次の四十五句目は、
いつまで猫の死を隠すべき
北裏の萱草ふとく夭姚(ゆぼやか)に 鬼貫
になる。埋めた猫を肥やしにして萱草(かやくさ)がそこだけ良く育っているというのは、いかにも作りっぽいし、展開に乏しい。
こういう素直な心付けは、鬼貫の得意とするところだったのだろう。
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