2018年12月14日金曜日

 阿弥陀如来の光背(後光)に放射光と呼ばれる旭日旗のような放射状の光がデザインされていることで気になったのだが、これは日本独自のものなのだろうか。
 試しに「불상」でぐぐってみると、いろいろな韓国の仏像の画像を見ることができる。それを見る限りではやはり日本独自なのかなと思った。「아미타 여래」で検索しても同じような結果だった。
 強いて似ているものといえば、頭光ではなく身光の方に、放射状のデザインがなくもないが、直線ではなく波打った線で描かれ、三色で色分けされてたりする。旭日旗とは似ても似つかない。放射光の光背は日本独自のものなのだろう。
 江戸時代の浮世絵とかみても、普通の絵に放射状のデザインが登場することはなく、宗教をテーマにしたもののみこの図案が見られる。
 たまたま手元にあった1999年の渋谷区松涛美術館の「特別展 浮世絵師たちの神仏」の図録だと、放射状のデザインをたくさんみる事ができる。ただし紅白ではなく、白か黄色の光として描かれている。
 仏教系以外では「天の岩戸図絵馬」が目に付く。天岩戸が開き、天照大神が姿を現したときの表現に、仏教の光背を転用し、それがやがて朝日の図案になったのかもしれない。
 幕末に流行した鹿島神宮関係の「要石鹿島大尽」の左端に放射状の光を放つ太陽が描かれ、これなどは旭日旗にかなり近い。
 阿弥陀如来→天岩戸→朝日→旭日旗、という順序であの図案が確立されたのかもしれない。
 阿弥陀仏といえば惟然の風羅念仏。

 古池や蛙飛び込む水の音
     南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏
 まづたのむ椎の木の有夏木立
     降るは霰か檜笠
     南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

0 件のコメント:

コメントを投稿