2018年12月11日火曜日

 今年もまたたくさん俳諧を読んだ。少しはレベルが上がったかな。去年の最後のも入れれば以下のとおり。

 十二月十七日から十二月三十一日まで「詩あきんど」の巻
 一月十五日から二月十二日まで「日の春を」の巻
 三月二日から三月九日まで「水仙は」の巻
 三月十九日から四月二日まで「うたてやな」の巻
 四月八日から五月三日まで「宗祇独吟何人百韻」
 五月四日から五月二十四日まで「花で候」の巻
 七月九日から七月二十日まで「破風口に」の巻
 八月一日から八月九日まで「秋ちかき」の巻
 八月十九日から八月二十二日まで「文月や」の巻
 九月二十三日から九月三十日まで「一泊り」の巻
 十月二日から十月十日まで「牛部屋に」の巻
 十一月十四日から十二月八日まで「野は雪に」の巻

 日本の風流の良い所は、一方的な自己表現ではなく、常に他人と共有できる言葉を作ってゆくという所にある。
 日本のお笑いに風刺が足りないと言う人もいるが、風刺はともすると他人を嘲笑する、いわば勝ち誇った笑いになりやすくなる。これは勝者と敗者の分断を産み、笑える人と笑えない人に分かれてしまう。政治ネタも結局は賛同できる人は笑うが、できない人は怒るという分断を生み出す。
 あるあるネタはその点共感を基本とした笑いで、最もレベルの高い笑いなのではないかと思う。芭蕉はそこに行きつき、その先はなかったのだろう。それが結局俳諧の完成と保存の時代への移行となったか。

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