はぴほりー。
俳諧の時代にはまだクリスマスは日本に入ってきてなかったので、平常どおりに。
皷角はどういう人なのかまったくわからないが、天和の頃に活躍した人で、千春撰の『武蔵曲』(天和二年)にも、
雪の卦や二陰生ズル下駄の跡 皷角
の句がある。雪の上に付いた下駄の後が二が横に二つ並んだ状態で、易の陰が二つ(==)になる。
この句は捨女の句と伝えられている、
雪の朝二の字二の字の下駄の跡 捨女
に似ている。
『虚栗』の冬の句は前回紹介したが、それ以外の句は、
在原寺ニて
美男村の柳はむかしを泣せけり 皷角
特に説明の必要のない句だ。
在原寺は奈良の天理市にある不退寺の別名だという。ここには、
うぐいすを魂に眠るか嬌柳 芭蕉
の句碑があると言うが、同じ『虚栗』の皷角のこの句隣に並んでいる。
寒食
木食も香炉に煙なき日なり 皷角
「寒食(かんしょく)」はコトバンクの「デジタル大辞泉の解説」に、
「古代中国で、冬至から105日目に、火気を用いないで冷たい食事をしたこと。そのころは風雨が激しいので火災予防のためとも、また、一度火を断って新しい火で春を促すためともいう。」
とある。
「木食(もくじき)」はウィキペディアに、
「木食戒(穀断ち)(火食・肉食を避け、木の実・草のみを食べる修行)を受けた僧のこと。木食上人ともいう。」
とある。
普段から火を用いない木食戒の僧は香炉の火を絶つ日だ、というのだが、本当だろうか。
唐扇はすねたり和扇ハ艶也渋団 皷角
中国の扇子が渋団扇を見て「和扇は艶也」といってすねるというのだが、よくわからない。
葺かへて不破のたびねの紙帳哉 皷角
「紙帳(しちょう)」はコトバンクの「デジタル大辞泉の解説」に、
「紙をはり合わせて作った蚊帳(かや)。防寒具にも用いた。」
とある。不破の関の破れた板庇も新しく葺いたのかと思ったら、紙帳を張って旅寝しているだけだった。
あさぢふや地蔵の闇を問蛍 皷角
これはわりと普通の句。説明の必要はないだろう。
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