何だか急に暑くなった。
東北の方では山火事が相次いでいる。大変だ。
フランスの方ではマクロン大統領誕生。まあ、去年ブレグジットとトランプで右に振れすぎたからバランスを取ったというところか。フランスは異邦人を歓待するが、だからといってフランス社会に溶け込めるわけでもなく、程よく異邦人になれる国だとEMシオランが言ってたと思ったが。
ゴールデンウィークが終わってそろそろ「木のもとに」の巻3に入ろうかな。発句は省略して。
脇
木のもとに汁も鱠も桜かな
西日のどかによき天気なり 珍碩
(木のもとに汁も鱠も桜かな西日のどかによき天気なり)
発句に対してあまり自己主張せずに穏やかに和した所は、脇句の見本なのだろう。
ひさかたのひかりのどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ
紀友則
の心か。前句の「汁も鱠も桜かな」に花の散る様を読み取って、本歌で付けたと言っていいだろう。
「西日」は近代では夏の季語になっているが、江戸時代では無季。
季題は「のどか」で春。「西日」は天象。
第三
西日のどかによき天気なり
旅人の虱かき行春暮て 曲水
(旅人の虱かき行春暮て西日のどかによき天気なり)
曲亭馬琴編の『増補 俳諧歳時記栞草』を見ても「虱」は春にも夏にも秋にもないところを見ると、「虱」は無季と言っていいのだろう。
蚤虱馬の尿(ばり)する枕もと 芭蕉
の句は「蚤」が夏になる。
夏衣いまだ虱をとりつくさず 芭蕉
も「夏衣」という季語を別に入れている。
前句の西日長閑な天気を花見から旅体に転じている。晩春は虱の活動の活発になる頃でもあった。ひさかたのひかりのどけき春の日も虱が出てくると思うと手放しに喜べない。今だったら花粉症のようなものか。
季題は「春暮て」で春。「虱」は虫類。「旅人」は旅体、人倫。
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