湯山三吟の方は、今日は3句進んだ。
よもぎふやとふをたよりにかこつらん
この比しげさまさる道芝 宗長
これは遣り句で、道の芝が茂っているありふれた情景を付けて、何とか「蓬生」の強烈なイメージをぬぐおうとしている。
連歌では同じ本説の句を続けてはいけない。ただ、「蓬生」という有名な物語のタイトルが出てきてしまうと、そのイメージを振り払うのは難しい。
この比ごろしげさまさる道芝
あつき日は影よわる露の秋風に 宗祇
この句は複雑な倒置と「てには」の使い方で、まさに宗祇ならではの技ありの句といえよう。
「あつき日は影よわる露の秋風に」は「影よわるあつき日は秋風に露の」の倒置。「この比ごろしげさまさる道芝」と合わせると、「影よわるあつき日は秋風に道芝の露のこの比ごろしげさまさる」となる。「しげき」を道芝の茂きではなく、露の茂きと取り成している。
「暑かった日の光も弱れば秋風に道芝の露もますますしげくなってゆく」という意味。
あつき日は影よわる露の秋風に
衣手うすし日ぐらしのこゑ 肖柏
これも「影よわる」を季節の移ろいではなく日が傾くという意味に取り成している。
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