今日もいい天気だった。明日からはまた台風が来るのかな。
それでは「猿蓑に」の巻、二表に入る。
十九句目
荷持ひとりにいとど永き日
こち風の又西に成北になり 惟然
東風(こち)が吹いたかと思えば西風になったり北風になったり、春の天気は変りやすい。雨になったりすると困るし、荷持ちもそのつどいろいろ気を使うことがあるのだろう。
二十句目
こち風の又西に成北になり
わが手に脈を大事がらるる 芭蕉
昔ニッポン放送のラジオで人間寒暖計と呼ばれている人がいて、持病で天気予報をするコーナーがあったが、天候の定まらない時に持病持ちというのは結構ありがたがられたりするのかもしれない。
二十一句目
わが手に脈を大事がらるる
後呼(のちよび)の内儀は今度屋敷から 支考
前句の「脈」を人脈のことと取り成す。「後呼(のちよび)の内儀」は後妻のこと。コネでもなければなかなか後妻を立派な武家屋敷からなんてことにはならない。大事がられるはずだ。
ニ十二句目
後呼の内儀は今度屋敷から
喧嘩のさたもむざとせられぬ 惟然
立派な屋敷から来た妻だし、ばついちという負い目もあって、こいつあおちおち喧嘩もできん。超軽みの頃なら、そんな付け句になったかもしれない。
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