2017年10月19日木曜日

 今日も一日雨ざあざあ降っていた。だいぶ冷えてきた。

 「一、韻てにはの事
     しめぢが原はのこるかれ草
   そのちかひちちの仏をただたのめ
  ただたのめしめぢが原のさしも草我世の中にあらんかぎりは
     衣やうすき鳴くらす蝉
   月にをく霜には秋のよやさむき
  夜やさむき衣やうすきかたそぎの行合のまより霜やをくらん
     もろく成行花の夕風
   うきをしる袖の涙の日にそへて
  嵐ふく峯のもみぢの日にそへてもろくなり行我涙かな
     床のうづらをたつるかり人
   はし鷹のつかれの草を犬がみや
  犬がみや床の山なる不知川いさとこたへて我名もらすな
     いなばのうへに風わたる也
   月になる夕の雲の立わかれ
  たちわかれ因幡の山の峯におふる松としきかば又かへりこん
 ただ頼めしめぢと続け、夜さむき衣うすきと言ひかけ、日に添へてもろくとなづらへ、犬がみや床とつらね、たち別れいなば、いづれもやさしく心ありて、真実羨ましくおぼえて候也、いづれもいづれも心にかけられ候はば、自然とかかるてにはも寄りくる事もあるべく候也」

 「韻てには」は「歌てには」ともいう。下句の頭が「しめぢが原」だったら、『沙石集』の、

 ただ頼めしめぢが原のさしも草
    われ世の中にあらん限りは

の歌を思い浮かべ、上句の末尾を「ただ頼め」にして上句下句が「ただ頼めしめぢが原の」と歌の一説で繋がるように詠む。
 「もろく成行」に「日にそへて」を付ける例は、二条良基の『知連集』にも「歌てには」の例として挙げられている。
 現代的にするなら、

   皇帝ペンギンつらい絶食
 突然にプリンセス脱出したし

 さて本歌は何でしょう?

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