もうすぐオリンピックが始まるが、今回はなにやら競技そっちのけの政治の匂いがぷんぷんする。南北融和と反日、それが今度のオリンピックのテーマなのか。
ところで、日韓の対立を煽っているのが誰かという問題で、ヒントを少々。
日本の左翼は、侵略戦争の原因を帝国主義論に基づいて、資本主義社会の必然だとしてきた。
日本の左翼は戦後の植民地の独立などの動きを資本主義社会の変化としてではなく、あくまで米ソ対立への移行と捉え、アメリカを「米帝」と呼び、反米闘争を行った来た。
日本の左翼は資本主義の世の中が続く限り日本は再び侵略戦争を起こすとし、平和のためには革命が不可欠だとしてきた。
安倍政権に限らず、日本の左翼は一貫して歴代日本の首相に対し、軍国主義を復活させ、再び悲惨な戦争を起こすものであると批判し、糾弾してきた。
日本の左翼はこの革命のために、常に外圧を利用してきた。日本政府が軍国主義を復活させ、再び戦争を始めようとしていることを、ことあるごとに世界に説いて回っていた。もちろんそこには韓国、北朝鮮、中国も含まれる。
そのために、日本の左翼は旧日本軍の残虐性を実際以上に誇張し、その世界に類を見ない残虐さを、日本人が残虐な原始的衝動を抑えられない劣等民族であるからだと言い広めてきた。
日本人は劣等民族だから、当然オリジナルの文化なんてものはなく、全て中国や朝鮮半島からの借り物だということも言い広めてきた。
80年代に遠藤みちろう率いるザ・スターリンというバンドが、「おいらは悲しい日本人/西に東に文明乞食/北に南に侵略者」と唄っていた。タイトルは「stop jap」。こういう劣等民族観は日本の左翼の間では常識的なものだった。
さて、これを信じてしまった韓国人は日本人をどう思うだろうか。戦争のことをいくら謝罪して、これからよりよい未来を作ろうと言っても信用するわけがない。日本という国そのものが消滅し、日本人がこの世から消え去る以外に解決策はない、と思うにちがいない。
それだけではあるまい。その劣等民族に何で自分たちが勝てないのかと思い、そこで焦り、死に物狂いで勉強し働いて過酷な競争社会(ヘル・チョソン)を作り出している。これも日本人がいるからだ、ということになる。
まあ、これはあくまで吹き込まれたイメージで、実際に日本人や日本文化に接すれば、なんか変だとは思うだろう。日本人も韓国人もほとんどの人はこんなことはみんな馬鹿げていると思っているだろう。だが、双方に少数ではあるが冗談ですまない人たちがいる。
そう思えば、日本と韓国の間で何が問題なのか理解できるのではないかと思う。
こやんも両親が日教組の教員で、典型的な左翼の家庭で育ったから、左翼の考え方はよくわかる。
それでは「日の春を」の巻の続き。なかなか進まないし、さすがに百韻は長い。
七十一句目。
おもひあらはに菅の刈さし
菱のはをしがらみふせてたかべ嶋 文鱗
本歌は、
秋萩をしがらみふせて鳴く鹿の
目には見えずて音のさやけさ
よみ人知らず(古今集)
で、萩を菱に、鹿を高部に変えている。
高部はコトバンクの「動植物名よみかた辞典 普及版の解説」に「動物。ガンカモ科の鳥。コガモの別称」とある。
菱の葉の上に伏せる水鳥の哀れさに、菅を刈るのを途中でやめ、邪魔しないようにする。
七十二句目。
菱のはをしがらみふせてたかべ嶋
木魚きこゆる山陰にしも 李下
舞台を山の影にある寺のあたりとする。「たかべ」に「山陰」は、
吉野なる夏実の河の川淀に
鴨ぞ鳴くなる山かげにして
湯原王(万葉集)
の縁。
七十三句目。
木魚きこゆる山陰にしも
囚をやがて休むる朝月夜 コ斎
「めしうと(囚)」は元の意味は召された人で、古くは舞楽をする人や貴族の私宅にかこってる女などを言ったが、やがて囚人の意味になった。ここでは、捕らえた盗賊の一味を山陰の岩屋か何かに閉じ込めていたのだろうか。朝になり、月は傾き、どこからか朝のお勤めの声が聞こえてくると、盗賊も脱走をあきらめ眠りに落ちる。
七十四句目。
囚をやがて休むる朝月夜
萩さし出す長がつれあひ 不卜
囚人と言ってもそんなに悪い人ではないか、無実の罪で捕らえられたか、村長の妻が少しばかり情けをかける。「月」に「萩」は付き物。
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