彼岸花の句だが、許六撰の『正風彦根躰』にもう一句あった。
赤々と残る暑さや死人ばな 孟遠
孟遠もまた彦根藩士で許六の弟子。
「赤々と」というと『奥の細道』の、
あかあかと日はつれなくも秋の風 芭蕉
の名句が思い浮かぶ。赤々と沈む夕日も、どこか人間の一生に重ねて、この世の無常を感じさせる所があるが、その赤々を彼岸花の赤にしたところがなかなかだ。彼岸花が夕日に見える。
「残る暑さ」は「残暑」で秋の季語ではないかという人がいるかもしれないが、当時は季重なりは何の問題もない。
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