それではTwitterで呟いたなりきり奥の細道の続き。
四月五日
今日は旧暦4月4日で、元禄2年は4月5日。
曇っているが雨の気配はなく、今日は雲巌寺に行ってみようと思う。
昨日の興行で、
洞の地蔵にこもる有明 翠桃
の句の時に雲巌寺で仏頂和尚が修行した話も聞いた。
啄木も庵はやぶらず夏木立 芭蕉
雲岩寺までは二里ほどで、峠を一つ越えたが、そんなに険しい道ではなかった。
昨日の興行のメンバーやそのお供の若い衆もぞろぞろとついてきて、結構な人数の団体になった。まあ、民部も図書も偉い人だからね。
まあ、おかげでいろいろ無駄話をしてるうちに着いた。
仏頂和尚が修行したという庵が残っていた。
岩の上にある小さな小屋で、人が住まなくなって荒れ果てていたが、かろうじて残っていた。
キツツキもこの庵は突かずに残しておいてくれたのだろう。
仏頂さんは深川にいた時近くに臨川庵があって、
最初の頃は参禅したりしたけど、すぐに俳諧のことが頭に浮かんできちゃうからね。その度に喝!ってやられたな。
鹿島根本寺へも月見に行ったけど、その時は曾良も一緒だったが、十五夜の夜は雨が降っちゃってね。明け方に月が見えるからって起こされたけど、結局見えなかった。
本当はこんな山奥で一人ゆっくり過ごしたかったのかもしれないけど、それなりの地位についてしまうと寺の境界争いだとかで訴訟に巻き込まれたりして、お坊さんも結構大変なもんだ。
四月六日
今日は旧暦4月5日で、元禄2年は4月6日。
今日は雨なので、余瀬の民部の家でゆっくり休んで、旅の疲れを癒そうかな。
物いはで石にゐる間や夏の勤 曾良
4月5日に翁や黒羽の民部さん図書さんとその他大勢で雲岩寺へ行った。
雲岩寺は十景五橋三井と言われるだけあって、景色も良いし伽藍も素晴らしかった。
そうそう、滝もあった。
山深み昼くだるにもさびしきに
よる人やある白糸の滝
自分は神道家なのでお経は読めないが、いや知らないわけでは神道家の立場がそれを許さないんで、ただ無詠唱をもってして夏(げ)の勤めを果たすとしよう。
四月七日
今日は旧暦4月6日で元禄2年は4月7日。
昨日は1日雨で今日も朝から雨。今日もお休みかな。
曾良が雲岩寺の歌と発句を作ってたな。
心の中でお経じゃなく、のりとを唱えてたっぽいが。
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