今年ももう残り少なくなってきた。
ロシアのウクライナ侵略から世界はどうなってしまうのかと不安だったけど、ようやく希望が見えてきた気もする。
マスコミの衰退、ネットの台頭は人権思想と国境なき世界の安易な理想を退けて、現実的な解決に向かわせる。二十世紀の社会主義の壮大な実験が飢餓と粛清の嵐で終っていったように、二十一世紀の人権思想も治安の崩壊と侵略行為への無力から、終わって行こうとしている。
国境なき世界は結局犯罪者とテロ組織と軍隊に移動の自由を与えるだけだった。
以前、詩人会議という共産党系の組織にいた頃、社会主義国家は失敗に終わった。社会主義はどう変わらなければいけないのかという話を聞いて、NGO社会主義と答えたことがあった。
つまり資本主義の自由競争の原理の範囲内で、社会主義は国家を指向するのではなく、むしろ独立採算の企業体として一般企業と競争しながら、様々な問題を解決する可能性を思い描いたわけだが、実際の共産主義者の生き残りはNGO社会主義ではなくNPO社会主義に留まった。
経済的に独立した組織として自由競争の真っただ中に飛び込む勇気もなく、ただ国家や自治体の公的資金をチューチューして、行政の委託を受けることで行政を乗っ取って行くという方法を取るようになった。
その一方で新しい資本主義は、企業が社会の諸問題を解決することで、持続可能な資本主義を目指すように変わっていった。その際、マスコミの世論操作によって、企業は大きく左翼寄りに引っ張られてゆくことになった。
NPO社会主義は国家のような集中的な組織ではなく、分散的なネットワーク型の組織であるため、その中心はわかりにくい。ただ、多くの社会主義的組織とマスコミと官僚と司法が緩やかに結びつきながら、社会を誤った誤った方向に導いていった。
トランプさんが言うディープステートとの戦いは、Qアノンのような一部の極端な陰謀説の主張と意図的に混同されるようにマスコミは導いてきたが、現実のディープステートはそのような影の支配者がいるわけでなく、ただ市民運動と称する似せ市民、プロ市民のネットワークが存在するだけだった。
これらのネットワークは中国やロシアやイスラム原理主義との親和性も高く、国連でも力を持っている。そのネットワークが今ようやく綻びはじめてきた。
実際の選挙による民意とは違ったところで暴力的に圧力をかけて来るこれらのネットワークが、国家や自治体の予算を吸い取り、直接選挙の及ばない司法権に巣くっていることに、ようやくネット民たちが気付き始めた。
まだ、ネット民の力は弱々しい。しかし、ゆっくりと確実にNPO社会主義の時代を終わらせてゆくことだろう。
国境は無くならないし無くすべきではない。多文化の共存は棲み分けが不可欠であり、一つの地域に複数の矛盾するルールはあってはならない。それはただ無秩序と治安の悪化、そして他国の侵略への脆弱性にしかならないことはもう十分わかったはずだ。国境は守らなければ守れない。
また、経済にもようやく明るい兆しが見えてきた。かつてのモータリゼーションやエレクトリゼーションが生活を一変させ、それから半世紀遅れてIT革命が生活を一変させたように、次の変化がようやく見えてきた。間違いなく次に来るのはAI革命だろう。
モータリゼーションやエレクトリゼーションは大量生産大量消費の時代を生んだ。その幻影に縛られて高度成長の夢よもう一度と願ってきたいわゆる戦後ベビーブーマーも、さすがに年には勝てない。
地球レベルで進行している少子化の前には労働者の限界生産性を高めるバンドワゴンなんてのは時代錯誤の妄想にすぎない。生産性の向上によって少ない人口で十分な生産力を確保する、雇用を増やさないイノベーションが不可欠だ。それをやらなければ移民の争奪戦になる。
少子化の時代には移民の確保も困難になるし、優良な移民はもはや望めない。どこの国でもいる食いつめ者、アウトロー、過激派など、その国にいられない人間が国境をまたいでやって来るだけだ。優良な移民が欲しかったら、ロシアのように他国を侵略して拉致してこなくてはなるまい。それが少子化時代の戦争だ。
そんななかでAIは救世主になる。今のAIはせいぜい絵を描くことに役に立ってるくらいだが、AIは使えば使うほど学習して進化を続ける。今は無知で嘘つきなAIもこれからどんな進化を遂げるのか、想像もつかないほどの大きな可能性を持っている。
当然、こうした新技術に対して、社会主義者はお約束のようにラッダイト運動を起こしている。ただ、人間が生産物によって生活している以上、生産性の向上は必ず人を豊かにする。
技術の恩恵はそれをまっ先に採用した者が多くの恩恵を受けるのは当然のことであり、それを頑なに拒む者は貧しいまま取り残されるのも当然のことだ。だからと言って新技術を破壊しても、彼らは豊かにはなれない。全体が今まで通りの貧しさに留まるだけだ。
社会主義者のイノベーションへの抵抗は今後も続くだろうし、マスコミ、官僚、司法などと連携して無理ゲーのように国民の前に立ちはだかるかもしれないが、ネットはそれを乗り越える武器となる。それが今の唯一の希望だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿