前にも書いたが、ネトウヨというのは元々はごく少数の右翼が一人でたくさんのアカウントを作ってあたかも多数意見であるかのように見せかけたことから始まるもので、当初からその実態は希薄だった。
ただ、この現象にかこつけて、左翼・マス護美が日本にネトウヨがはびこって大変なことになっているみたいに大騒ぎして、海外のマスコミや人権団体にチクってまわってた。
そしていつの間に日本の七割八割がネトウヨだとかいう大袈裟な話になり、何のことない、左翼ではないものはみんなネトウヨになってしまった。
トランプ政権の末期になって、日本でもQアノンのことが話題になり出すと、この連中はすぐにネトウヨとQアノンを結び付けてJアノンなるものをこしらえ、叩き始めた。これはネトウヨ以上に実体がない。本家のネトウヨ自体が既にオワコン化してた時期だった。
Jアノンに関する情報は、ネット上の活動をほとんどやってない一部の新興宗教から拝借したものだった。筆者の自宅にもそういう新興宗教でチラシが配られたのは見たことがあるが、ネット上ではほとんど見かけないものだった。
今回の「統一教会」騒ぎは、基本的にこのJアノンの延長線上にある。まあ、家庭連合も新興宗教だし、その主張は筆者の知る所ではないが、Jアノン=統一教会の結びつけは左翼の間では周知のものだったに違いない。
もちろん、今日統一教会なる団体は存在しない。山上被告の供述に出てくる統一教会も二十年前のものだ。
ほとんどの大衆は新興宗教に興味ないから、統一教会と言われるとすぐに思い出すのは桜田淳子ではなかったかと思う。集団結婚式で世間を騒がせたのは、その頃のことだった。
あとは怪しげな壺を売り歩いているという噂で、これも同じ時代のことだった。
ただ、年配の左翼にとっては学生時代の勝共連合の記憶がある。八十年代で学生運動もすっかり下火になった頃大学自治に食い込んできたのが、統一教会と成長の家からなる勝共連合だった。
当時筆者のいた大学は民青が支配していた。サークルなどには革マルも入っていたというが、詳細は知らない。そうした左翼の支配する大学の自治会に勝共連合が候補を立ててきて、民青の連中がかなり焦ってたのは知っている。勝共連合は大学で日本刀を振り回す危険ら連中だみたいな、多分意図的に流すデマだと思うけど、そういう工作をしていた。
筆者も学生時代に統一教会の人に声を掛けられて、一緒に飯を食ったこともあった。その時は特に布教しようというふうでもなく、普通に世間話で終わった。まあ、当時は筆者も一部でノンセクト・ラディカルだと噂されてたようだから、探りを入れてきたのかもしれない。
そういうわけで、あの時代を知っている人なら、ここで勝共連合からJアノンへ一直線にパズルのピースがつながる所なんだろう。
当時の自民党が冷戦構造化で日本の社会主義化にぴりぴりしていたから、勝共連合に肩入れしたというのはよくわかる。
ただ、成長の家の方は、中絶反対を掲げる成長の家の議員を比例区名簿で下位に置いて落選させたことから自民党と仲たがいし、その後成長の家がエコ路線に変わっていったことで関係が切れていった。
統一教会もその後教祖の死去によって分裂したが、その頃は世間でもほとんど話題になってなかった。だから、ほとんどの人はその分裂そのものを知らなかったし、筆者も知らなかった。もちろその片割れがどういう名称かなんて、普通の人は知らなかったといって良い。
そういうわけで今回の騒ぎは左翼には自明のことでも、一般の人には何のことなのかわからないというのが本音ではないかと思う。
反国葬デモもマス護美が伝える所によればせいぜい百人程度のもので、盛り上がっている雰囲気はない。日本共産党が本気で動員を掛ければ千人くらいはすぐに集まるはずだから、おそらく左翼内部でもそんなに盛り上がってないんじゃないかと思う。統一教会報道に関しても左翼内部でも賛否両論あるようだ。
おそらく左翼の間でも、憲法改正を阻止するための方便くらいにしか思ってないんじゃないかと思う。どっちにしても今回の騒ぎはマス護美の空回りではないかと思う。
問題は、そんなものにひるんで内閣改造までやってしまった岸田さんの弱腰姿勢の方ではないかと思う。
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